住宅売却を手伝ってもらう、不動産会社の選び方

世に不動産会社(以下、業者と表記します)はたくさんあります。大手の業者や地元の業者、売買に強い業者や賃貸に強い業者など、少しずつ異なる得意分野を持っています。いざあなたが不動産を売却しようとした時、何を基準にすれば良いのかということに視点を置いて解説していきます。

査定してもらったが、それぞれ金額が違うのはなぜ?

ほとんどの業者は、過去の事例などに基づく売買価格のデータを共有しており、そのデータを基準にして査定額を算出しています。

では、同じデータを参考にしているのになぜ査定額に差が生じてくるのかというと、業者にはそれぞれ特徴や強み弱みがあり、一戸建てに強い業者、マンションに強い業者、都心部に強い業者、沿線郊外に強い業者など、それぞれに得意不得意があります。

また、過去に同じ地域の物件を扱っていれば、購入見込み客をストックしている可能性もあり、高めの査定を出してくる事もあります。このような業者が抱えている事情によっても、査定額の差が生じる場合があります。

どこに頼んでもやってもらえることは同じなの?

不動産の売却に奇策はありませんから、どこの業者に頼んでも、広告展開やネット公開、オープンハウスなど大体は似たような活動になるでしょう。ただ前述のように、業者によってはある分野は特化して力を入れていることが珍しくありません。

一戸建てやマンションに限らず、収益用賃貸物件や買取再販用物件などの分野もあります。ですから、相談・査定依頼時に、その業者が何を専門としているか、どの分野に特化しているかを良く聞き込む必要があります。

もし売却物件が、「沿線郊外の一戸建てで築年数が浅く、高値で売りたい」のであれば、沿線上の大手業者の支店、物件近隣の老舗業者、一戸建てに特化し広範囲で展開する業者などにおのずと絞られてきます。それらの業者は、過去に同様の物件を扱っている可能性が高く、仕事内容も単純な広告展開ではなく、より効果的な活動内容になることも考えられます。

優秀な業者の基準を教えて!

不動産売買における業者の仕事は大きく4つです。項目ごとにポイントを解説します。

1.売却物件の募集活動

八百屋さんに野菜がなければ商売になりませんから、商品となる「売却物件」を募集する活動が必要となります。一般的には売却募集の折込広告やネット掲載になりますが、優秀な業者や営業マンは「紹介」での売却依頼が多くなります。これは過去の仕事ぶりに対する評価と言えるでしょう。

募集活動とはいえ、誠実な対応と確実に契約に導く手腕が見られているのです。

2.媒介契約と販売準備業務

売却を依頼する「媒介契約」には3種類の形態があります。媒介契約を締結したら、販売活動に入ります。この活動も折込とネット掲載が基本ですが、媒介契約までに販売ターゲットを確立し、迅速にスタートできるのが優秀な業者・営業マンです。

しかし現実的には、媒介契約の締結自体を目標としてしまう業者も少なくありません。

3.購入希望者の探索活動

販売活動において、「売却価格」は確かに重要な要素ですが、「速度」はそれ以上に重要と言えます。物件情報は新しいものに反響が集まりますが、想定より反響が少ない場合には反響を増やすための迅速な対応が必要です。

広告のレイアウトを変えたり、オープンハウスなどのイベントを開催したり、さらに優秀な営業マンは過去のアンケート名簿にメールアドレスを記入させ、不定期で物件情報を送信したりします。「待つ」営業スタイルの業者は優秀とは言えません。

4.売買契約と引渡し業務

売買契約や引渡し業務は、事務手続きがメインとなってきますが、業者・営業マンに必要なスキルとして、「法律」「住宅ローン」「交渉技術」が挙げられます。売買契約書類には、関係する法律が列記されています。その内容を売主や買主にしっかり分かり易く認識させる必要があります。

住宅ローンについては、表面的な知識だけでなく、各銀行の特色や手続きに要する期間など実務上のノウハウを把握し、売主や買主に指示・提案できなければなりません。また、売主・買主は「売却価格」や「引渡し時期」などさまざまな場合で利益が相反することがあります。

誠実に双方の事情に耳を傾け、的確な提案によって解決に導くことが必要となります。

やっぱり大手業者に頼む方が安心なの?

大手業者の良さは、その知名度とネットワークの大きさです。大手業者の情報を見ると、たくさんの物件を扱っていて、不動産購入を考えている人にとっては便利ですし信用できるでしょう。ただ、一概に大手だから安心とも言えません。

物件数が多ければ、業者・営業マンは「決めやすい物件」に力を注ぐ傾向があり、他の物件は「待ち」の営業スタイルになりがちです。大手より物件数の少ない地元業者に比べると、個々の物件や売主への対応が疎かになってしまう場合もあります。

現在の不動産情報はネットワーク化され、すべての物件情報を同じ環境で検索することができます。従って、大手だからと過信せず、誠実に対応してくれる業者・営業マンに頼むことが何より重要です。

いま売却を頼んでいる業者から、別の業者に変えることはできるの?

結論から言いますと可能です。業者の対応に不満があったり、約束したことを守らないなどの理由で売却の依頼先を変更したり、複数の業者への依頼に変更することができます。不動産を売却を依頼する際、業者に売却を依頼する約束を交わす「媒介契約」を結びます。

媒介契約には前述した3種類の形態(一般媒介、専任媒介、専属専任媒介)があります。一般媒介は複数の業者に、専任媒介と専属専任媒介は単独の業者に依頼する形態ですが、専任媒介や専属専任媒介でも上記のような理由であれば変更は可能です。

でも、成果は出ていないが業者側に落ち度が無い時などの変更ですと、媒介契約日から変更日(解除日)までに掛かった広告費などを請求される場合がありますので、媒介契約を結ぶ前に契約内容をしっかり把握しておきましょう。